老後に向けて、あるいは今ある資産を有効活用するために、FX(外国為替証拠金取引)を検討している方も多いでしょう。とはいえ、FX(外国為替証拠金取引)をしたことがない方であれば、一体何から始めればよいのかと疑問に思うかもしれません。
本記事ではFX(外国為替証拠金取引)資初心者に向けて、FX(外国為替証拠金取引)の概要や具体的な始め方・メリットを詳しく紹介。また、初心者の方が覚えておきたいFX(外国為替証拠金取引)のリスクとは何か、リスクを軽減する方法などについて解説します。
FX(外国為替証拠金取引)とは
FXは正式名称を「外国為替証拠金取引」といいます。「外国為替」の英語表記である「Foreign Exchange」が略されて「FX」と呼ばれるようになりました。
FXは通貨の為替相場を予測し売買を行う金融商品で、為替レートの変動が利益につながります。簡単にいえば、通貨を両替することで利益(為替差益)を得る仕組みです。
たとえば1ドルの価値が100円と同じ場合、「1ドル=100円」と表されますが、これが為替レートです。為替レートが1ドル=100円のときに10,000円をドルに変えた場合、100ドルを手にすることができます。その後1ドル=120円になったタイミングで手元の100ドルを円に両替すれば12,000円になるため、最初に持っていた金額との差額が発生し2,000円分得することになります。反対に1ドル=90円になったとき手元の100ドルを両替すれば9,000円になるため、1,000円分損することになります1。
米ドル/円の組み合わせに限らず、世界中の通貨同士で交換を行えるため、状況に合わせた取引が可能です。英ポンド/ドルやユーロ/米ドル、豪ドル/円といった組み合わせがあります。
外貨預金との違い
外貨預金は、日本円を米ドルをはじめとする外貨に両替して預金する金融商品です。預金したタイミングよりも為替レートが円安(円安とは、外国通貨の価値と比べて日本円の価値が相対的に安くなることを指します。たとえば1ドル=100円から1ドル=120円になったような場合です)に進んでいれば、引き出すときに利益が得られます。FXと似ているように思えますが、収益性や取引の仕組みにおいて異なる点があります。
外貨預金との大きな違いは、FXでは「証拠金」と呼ばれる一定額の資金を事前に預け入れて取引を行うという点です。証拠金とは、FXの口座を開設したあと取引をするために入金したお金を指します。
この証拠金を利用して手持ち資金以上の取引ができる「レバレッジ」という仕組みがあるのも、FXと外貨預金の大きな違いです。レバレッジは預け入れた証拠金の1倍から25倍まで指定できるため、たとえば10万円の自己資金しかない場合でも250万円分の通貨を取引できます。
証拠金取引の仕組みを使うため、通貨の買い注文だけではなく売り注文から入ることができます。FXでは上昇相場だけではなくレートが下がる局面でも利益を狙うことができるため、運用の幅が広くなるといえるでしょう3。
また、取引に伴い発生するコストも、外貨預金と比べて安く済む可能性が高いです。
FXは外貨預金と比べると取引の選択肢が多く、柔軟な運用ができる金融商品だといえるでしょう。
会社選び
FXの会社選びに当たっては、「最小取引単位」「スプレッド」「スワップポイント」の三つに注目しましょう。
最小取引単位
FX会社ごとに決められた、1回の売買で取引できる最低限の金額を「最小取引単位」といい、○○lotや○○通貨という形で表します。たとえば米ドル10,000通貨であれば10,000ドルの意味になります。1lot=10,000通貨として最小取引単位を定めている会社が多く、これを下回る金額での売買はできません。
ただし0.1lotや1通貨からの取引を認めているところもあるため、手元の資金に余裕がない場合は最小取引単位が小さい会社を選ぶことが重要です。
たとえば1ドル=100円の場合に、1,000通貨を最小取引単位とすると10万円が必要ですが、1通貨で取引するときに必要な資金は100円で済みます。
初心者の方にとっていきなり大きな資金で運用を始めるのは勇気がいると思いますので、最小取引単位が小さくリスクをできる限りおさえられる会社を選ぶのがよいでしょう。
スプレッド
為替レートの売値と買値の差である「スプレッド」も会社選びで重要な要素です。
為替手数料に相当するもので、各会社が自由に決めることができます。また、通貨ペアごとに異なり、売買するたびに発生するコストです。
たとえば買値が1ドル=114.000円、売値が113.998円となっている場合は差額の0.002円(0.2銭)がスプレッドになります。最小単位が10,000通貨の場合、かかるコストは20円です。レバレッジをかけている場合にはより大きな数量の通貨を取引することになり、その分コストがかさむため軽視できません。
原則固定としている会社と、取引時間帯や相場状況によって変動する仕組みを採用している会社があるため、よくチェックして取引する会社を選びましょう。