そうだ、株を買おう! と思い立っても、すぐに株を買えるわけではありません。証券口座を作り、そこに資金を入金し、銘柄を選んで……と、意外とやることが多いのです。また、投資を始める前には、どんな取引スタイルで、どんな利益を得ようとするのかを決めることも大切。ここでは、株を始めるための基礎知識や、事前に検討しておきたい事柄などをまとめます。

株はどこで、どう買うの? 始めるために必要な基礎知識

株を買うためには、証券会社に口座を開設し、その口座に入金して、取引の環境を整える必要があります。そして証券会社の取引システムから、インターネット経由で注文を出し、それが約定(注文した取引が成立)することで、“株を買う”行為が完了します。ちなみに、株はインターネット経由でしか買えないわけではなく、証券会社の店頭や電話での注文で買うこともできます。

証券口座の作り方

まずは証券会社を選んで、口座開設を申し込みます。最近はインターネット上だけで完了するのが一般的になりました。口座開設の申し込みには、マイナンバーと身分証明書等が必要です。申し込み後、所定の審査を通過すると、数日のうちに口座開設完了の通知と、取引システムへのログイン情報が届きます。そして、取引システムにログインし、入金を完了させれば、株を買うことができるようになります。

証券口座への入金の仕方

証券口座へ入金するには、インターネットバンキングが便利です。提携金融機関のサービスによっては入金指示が即時反映される場合もあります。それ以外では、指定口座への振り込みを証券会社側が確認した後に口座に反映されるという、タイムラグのある流れとなります。

株を注文する流れ

証券口座で口座を開設し、入金まで完了したら、まず買いたい株を選びます。そしてその株をいくつ(株数)、どのように(成行注文または指値注文など)、いくらで買うか……といった内容を、取引システムで操作・決定していきます。その発注が約定すれば、取引完了です。ちなみに、成行とはその時のリアルタイムでの株価で価格を指定せずに発注すること、指値とは取引したい発注価格を指定する注文方法のことです。

株式投資で得られる利益は3タイプ

株を買うことにより得られる利益には、キャピタルゲイン、インカムゲイン、株主優待の3つのタイプがあります。また、取引のスタイルは、デイトレードのような短期投資と中長期投資に大別されます。以下で、3つの利益のタイプと取引スタイルについて解説します。

3つの利益のタイプ
  • 1.キャピタルゲイン
    保有している株を売却することによって得られる売買差益のこと。例えば、50万円で買った株が60万円になったときに売却した場合、その差額の10万円(手数料や税金を除く)がキャピタルゲインです。その反対の損失は、キャピタルロスといいます。
  • 2.インカムゲイン
    株を保有していることで得られる配当金のこと。銘柄によって、配当利回りや、配当の回数が異なり、業績次第で増配や減配になることもあります。また配当金を得るには、権利確定日に株を保有している(株式名簿に名前が載っている)必要があります。ちなみに、株を保有していれば必ず配当金がもらえるわけではなく、業績によって配当額が変動することや、会社方針や業績等により無配当の企業もあります。
  • 3.株主優待
    企業が株主に対して、自社サービスの商品や割引券等を与えること。例えば、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、株主優待としてパスポート券をプレゼントしています。こちらもインカムゲインと同様、権利確定日に株を保有している必要があります。
取引スタイル

株を買うスタイルの例として、下記のようなものがあります。

  • どんどん短期売買して、売買差益を積み重ねる
  • 理論的な価値に比べて割安な銘柄を、短期または長期保有し、売買差益を狙う
  • 大きく成長しそうな銘柄を、長期保有し、大きな売買差益を狙う
  • 株主優待をもらうために、短期または長期保有する
  • 高配当をもらうために、短期または長期保有する

株式投資を始める際には、資金量や、許容できるリスクと求めるリターン、株に投資する目的などから、自分に合ったスタイルを決めるのが、賢い方法だと言えます。

資金量によって、購入可能な銘柄は異なる

株式投資の他にも、日経平均株価や外国為替を対象としたものなど、さまざまな投資があります。ここでは代表的な投資先の概要を紹介します。

<投資信託>
プロが投資家から集めたお金を運用する仕組みの金融商品。運用方針はさまざまで、分散投資を目指すバランス型や、より利回りを追求するアクティブ型など、性格が異なります。投資信託選びは自分で行いますが、運用自体はプロにお任せするというスタイルです。証券会社をはじめ、銀行や保険会社等の金融機関でも取り扱っています。

<ETF(上場投資信託)> ETFとは、取引所に上場している投資信託のことです。日経平均株価などの株価指数に連動するよう、運用されます。ただし、投資信託とは違い、株式投資のように取引所で売買されます。株式投資と、投資信託の特徴を併せ持った金融商品です。

<FX(外国為替証拠金取引)>
日本円や米ドル、ユーロなどの通貨の売買を、差金決済により行う金融商品。レバレッジをかけることができ、投資効率を高めることができます。値動きに対してキャピタルゲインを狙ったり、スワップポイント(金利差調整額)というインカムゲインを狙ったりと、さまざまな取り組みができます。

<先物取引>
あらかじめ定められた期日(満期日)に、特定の商品を、あらかじめ決められた価格で売買することを約束する取引。原油などの商品を対象とした商品先物取引や、株価指数を対象とした指数先物取引もあります。買いからでも、売りからでも利益を出すことができたり、レバレッジ取引ができたりするのは、FXや後述するくりっく株365と同じです。

<くりっく株365(取引所CFD)>
東京金融取引所に上場する、日経平均株価やNYダウといった株価指数を取引できる金融商品。ニュース等でよく見聞きする日経平均株価やNYダウに投資したい場合は、くりっく株365が選択肢の1つです。少ない資金でレバレッジ取引ができ、値上がりを予想した買いだけではなく、値下がりを予想した売りでも、利益を出すことができます。また、株と同じように買いのポジションを保有した場合は配当相当額がもらえます(株価指数の構成銘柄に配当があった場合に配当相当額が付与されます)。
くりっく株365は、あまり聞き覚えのない方もいるかもしれませんが、投資の内容自体はシンプルで分かりやすいものです。詳しくは、下記URLで解説しています。また岡三オンラインでは、豊富な情報と、充実の取引ツールを用意。初心者でも安心して始められる環境が整っています。

まとめ
  • 株を買うには、証券口座の開設、入金などの準備が必要
  • 利益はキャピタルゲイン、インカムゲイン、株主優待の3タイプ
  • 株の購入額は、株価×1単元で求められる
  • 株以外にも投資の選択肢はさまざま